家で作るヨーグルト
初めてヨーグルトの菌をいただいたのは、10年位前、軽井沢で建築家の磯崎新氏の別荘に滞在した時でした。
夫の仕事関係で数日間、泊めていただくことになったのですが、磯崎ご夫妻の丁寧な食事作りや生活スタイルに感銘を受け、今でもあの時の経験が忘れられません。
ヨーグルトは、ロシアの菌で増やしたものを目の細かいざるで毎日漉して作られていて、それまで食べたことのない特徴的な味のものでした。少しのヨーグルトに牛乳を加えることを繰り返せば、半永久的に増えるということで、そのヨーグルトの菌を分けていただいて帰ってきました。ヨーグルトを漉すために特別な目の細かいざるを購入して、毎日丁寧に育てていました。
でも、数ヵ月後になぜかヨーグルトの調子が悪くなって味が変わってしまい、育てることをあきらめました。せっかくいただいた貴重なロシアの菌だったのに、だめにしてしまったなんて。同じ時に別荘に一緒に滞在した友達は、その後もずっとヨーグルトをきちんと作り続けていてるのに、一体何が失敗の原因だったのだろうかと色々考えました。
3年位前にも、カスピ海ヨーグルトの菌を友達から分けてもらったことがあります。スライムのようにのびるヨーグルトに子ども達も喜んで、しばらくの間作っていたのですがそれもいつしかのびなくなって味が変わり、うまくいかなくなってしまいました。カスピ海ヨーグルトを何年もずっと続けているという友達もいるのに、私はどうしてうまくいかないのかと、また考え込んでしまいました。
昨年、友達からケフィアヨーグルトのことを教えてもらいました。
原産地は、カスピ海と黒海の間のコーカサス地方。乳酸菌と酵母の複合発酵で、普通のヨーグルトよりも体にもいいとのこと。
1リットルの牛乳パックに入れるためのフリーズドライの菌が1回分ずつ小さな包みに入っていて、使いきりになっています。経済的には、市販の500mlのプレーンヨーグルトに比べるとややお得。
これが、なかなか調子がよいのです。
というのは、まず、使い切りなので、毎日のように食べなくても気が向いた時だけ自分のペースでヨーグルトを作れる。しばらく旅行に出る時や、ヨーグルトは飽きたから少しお休みしたいなどと思ったりしても、自由に作りたい時だけ作れるからプレッシャーがなく、菌をだめにしてしまった時の罪悪感もない。
私の性格には、ぴったりのものだったのです。
作り方は、1リットルの牛乳1パックにケフィアの菌を1包入れ、軽くふります。そのまま室温に、夏なら1日、冬なら3日置いて固まったら出来上がりなので、冷蔵庫で冷やしておきます。 (別売りの保温カバーを使えば冬でも1日でできるようですが、私は使わずに3日かけて作っています。)それから、牛乳の紙パックも毎回新しいので衛生的です。
味は、食べやすくて優しい味です。以前は毎日ヨーグルトを食べる習慣がなかったのに、今や朝食には欠かさず食べています。
作り続けなくても大丈夫なヨーグルトなのに、おいしくて飽きない味だから、なぜか常にきらさないように作っているという不思議なことになっています。
ケフィアヨーグルトのサイト : www.betterhome.jp/net_shop/kefir
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