「代官山シェ・リュイ」のサンドウィッチ

ライ麦パンのケースのサンドウィッチ

以前に、「代官山シェ・リュイ」のお魚の形のサンドウィッチをいただいたことがあります。パンの蓋を開けると、中に小さなサンドウィッチがびっしりと詰まっていて、思わず感嘆の声が・・・
食べてみたらとっても美味しくて、なんて素敵な贈り物と嬉しくなりました。

サンドウィッチを食べ終わった後でパンのケースを見ると、中があまりにきれいに切り取られているのでびっくりしました。サイドの部分は上からナイフを入れて切り込みを入れたというのはわかるけれど、底は一体どうやってこんなにきれいに切り取ることができたのか、とっても不思議でした。何か特殊な電動のカッターでもあるのかしらと思いながら、パンをよく観察していたら、ようやく謎が解けました。

横の面に3cmくらいの、ナイフを差し込んだ切り込みの跡が見つかりました。つまり、底に近い横からナイフを入れて、そのナイフを大きく扇形に動かしながら底の皮一枚残して中身のパンを切り取ったというわけです。種明かしを知ると単純なことでしたが、そこに行き着くまでの謎解きの過程が楽しかったから、パーティーなどでもこのサンドウィッチがあるとちょっとした話題になりそうです。

そこで、さっそく私もこのお魚のサンドウィッチを作ってみました。ライ麦パンの生地を作って、写真を見ながら魚の形にして、目、口、ひれなどに小さく切った生地を貼り付けて、はさみでうろこの切込みを入れ・・・  
なかなかかわいいお魚ができました。焼き上がって冷ましてから、ナイフで切り込みを入れて中をくり貫くのもさほど難しくなく、うまくいきました。

ところが、うちのオーブンプレートにめいっぱい入る大きさに作ったお魚でしたが、シェ・リュイのに比べると小さいので、サンドウィッチの量が思ったより少なく、せっかく作ってもちょっとしか食べられないので困ってしまいました。うちのオーブンはコンベックのガスオーブンで、家庭用としては大きい方だと思いますが、やはりビルトイン式のものに比べると、プレートが29cm/25cmと小さめ。お魚の形にすると、頭の部分はサンドウィッチにできないのでますます量が減ってしまいます。
そこでプレート一杯に入る大きさの丸型のライ麦パンを焼いて、同じようにサンドウィッチを作ってみたら、結構たくさんできたのでこれでよしと思うことにしました。調べてみたら、フランスではこのようなパンをpain surprise(びっくりパン)と呼んでいるそうです。

持ち寄りパーティなどがあると、時々このサンドウィッチを作っていきますが、持ち運びも楽だし、ちょっとした話題にもなり、また、味がいいと誉めていただけるので、作りがいがあります。サンドウィッチを食べ終わった後のパンのケースは、グラタンを入れてオーブンで焼いて食べても楽しめます。



Pain surprise  パン・シュルプリーズ  

*材料(6人用 1台分)

ライ麦パン:
強力粉 450g、 ライ麦粉 150g、 ドライイースト 大さじ1、 塩 小さじ2、 砂糖 大さじ3、 
キャラウェイシード 小さじ2、 ぬるま湯 370g

サワークリーム、マシュルーム(薄切り、缶詰)、スモークサーモン、 ディル、
きゅうり、ハム 、ツナ、パセリ(みじん切り)、マヨネーズ
バター、マスタード、塩、こしょう 

*作り方
1. ライ麦パンの材料を全部一緒にボウルに入れ、手でさっと混ぜ,こね板の上に出して、15分くらいこねる。(こね方などは、Recipes & essay の「家で焼くパン」のページをご覧下さい。)
サラダ油を薄くを塗ったボウルに入れ、ラップで蓋をして、オーブンの発酵温度に入れて生地が2倍に膨らむまで約30分、発酵させる。

2. 発酵したら、全体につぶしてガスを抜く。再び丸めなおして底をしっかりと閉じて、シートを敷いたオーブンプレートにのせる。粉を少しつけたラップをかけて乾燥を防ぎ、約30分温かいところで発酵させる。

3. 生地が2倍に膨らんだら、茶漉しでライ麦粉(分量外)をふりかけ、ナイフで格子模様に切り込みを入れる。170℃に予熱したオーブンで30分焼く。

4. 焼けたら、完全に冷めるまで2時間以上置いてから、次の作業に入る。
まわり1〜2cm残して縦に1周切り込みを入れる(底までは切らないようにする)。パンの側面(底のすぐ上の部分)からパンの中にナイフを横に倒した状態で入れ、ナイフを差し込んだ穴を大きくしないように気をつけながら扇状に動かしながら、底全体を切る。中身を取り出す。上の皮の部分を横から切って離して、フタに使う。パンの中身は、8mm厚さになるように上から下方向に向かって薄切りにする。

5. バターとマスタードを混ぜ合わせる。以下の4種類のサンドウィッチを作る。

・ サワークリーム、マシュルーム(缶詰)、マスタードバター、塩、こしょう
・ スモークサーモン、ディル、サワークリーム、塩、こしょう、マスタードバター
・ マヨネーズを混ぜたツナ、パセリのみじん切り、きゅうり、マスタードバター
・ きゅうり、ハム、マスタードバター、塩、こしょう

6.サンドウィッチをパンの幅と同じ長さの正方形に切り分け、パンの器に詰める。この時、周りの丸い部分はカーブに沿ってもとの位置にパンに戻してぴったり収まるようにする。真ん中は、サンドイッチのきれいな切り口が上になるようにして詰める。パンのフタをして供する。



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