壁のリフォーム (1)
Reform
リビングルーム奥のコンクリート打ちっぱなし風の壁、実はこれは私が貼り替えた壁紙です。でも、実物を見ても、触らない限り壁紙とはわからない感じです。
今のマンションに住んで11年になりますが、その間、壁のリフォームに関しては、色々な変遷がありました。
外観はコンクリート打ちっぱなしのマンションですが、部屋の中の壁は、最初、全部白い壁紙が貼ってありました。
住んで5年目、子供の手の届くところから下の部分の汚れが目立ってきて、
我慢の限界に。
うちの壁紙は、防汚れ加工してないタイプのものなので、表面が柔らかく、拭いてもなかなか汚れが取れないのです。あらゆる洗剤や白いスポンジなどで試したけれど、お手上げ状態。
賃貸マンションなので、家中の壁紙を替えてもらうための数十万円の出費は、どうしても納得が行かない。
そこで、私が壁紙の上からペンキを塗ることにしたのです。(引っ越す時は、
業者が壁紙を全部張り替えるので、ペンキを塗っても問題ないと判断。)
当時、子ども達は2才と5才で、いたずら盛り。ペンキなどで遊ばれたら大変なことになるので、夜、彼らが寝た後で作業に入りました。
壁にペンキを塗るには、まず、養生と言って、ペンキを塗らないところのすべてにビニールで覆いをかけなければなりません。これが、けっこう時間と手間のかかる作業で、ペンキを塗るのと同じくらい大変です。リビングの場合は、まず、すべての家具を部屋の中央に寄せてビニールをかけ、床も一面に覆いをかけます。それから、窓、ドア、エアコンなどに、ガムテープにビニールがついている便利な道具があって、それをぴったりの位置から貼ってはたたみ込まれているビニールをのばして覆っていきます。
それが終わってからようやく、壁のペンキ塗りに入れます。先に隅の方から刷毛で塗り、あとはローラーを使って大きく塗っていきます。この、ローラーで壁面を塗る作業は、結構楽しくて、時間が経つのも忘れて夢中で塗ってしまえます。ところが、天井を塗る時になると、長い棒のようなものにローラーを取りつけて塗るのですが、姿勢が不自然になるので、非常に疲れて苦しい作業です。
一度塗りが終わったら、1時間くらい乾かすために休憩に入ります。壁は、まだ塗りむらが目立つ状態です。その後、乾いてから二度塗りをすると、見違えるようにきれいに仕上がります。これが終わって、養生をはずせば完成です。その頃には、夜がしらじらと明けてきて、私は、ひとりでこんな時間に何してるんだろうなんて気もしますが、美しく生まれ変わった部屋を眺めると、充実感で一杯になります。
一部屋塗リ替えると、他の部屋との差が大きく目立ってくるので、結局、全部の部屋を塗らないわけには行かなくなります。
住みながら塗り替えるので、一部屋でも使えない部屋が出ると生活が成り立たず、一度養生をした部屋は、一気に塗ってしまわなければなりません。それで、週に1度くらいのペースでペンキの日を作って、残りの2部屋、洗面トイレ、キッチン、玄関と、通算で6回ほど、徹夜しました。
白のペンキ仕上げの壁は、壁紙と違って何か緊張感があって、美しい仕上がりでした。遊びに来た友達に「ヨーロッパの新築マンションみたい。」などと誉められたりもして、手作りの、本当に心地よい空間ができあがりました。
ところが、3年後、またしても、子供の手の届く高さから下は、汚れてしまいました。あらゆる洗剤を使ってもやはりきれいにはならず、3年に1度ペンキを塗り替えるのは、体力的に無理と判断し、私は次に、壁紙張替えの道に入っていったのです。
2004.7.24
次のページに続く→
Back