子どもの興味
長男が今年、小学校を卒業しました。
中学生になると、だんだん親と一緒に出かける機会も少なくなってくると聞くと、ちょっと寂しい気もします。
でも、この12年間をふり返ると、子どもが興味を持ったものを一緒になって追いかけて、私もずいぶん楽しませてもらいました。
幼稚園の頃は、星座が大好きだった息子。いつも星座表を片手に夜空を見上げて、「あれが、オリオン座のベテルギウス、それから、こいぬ座のプロキオンとおおいぬ座のシリウスで冬の大三角形・・・」とか、私に教えてくれたりして、休日はプラネタリウム巡りが一番の楽しみだった日々。
98年11月の「しし座流星群大出現」が予想された日には、当時気に入ってたびたび訪れていた山梨県牧丘の町営ホテル、「オーチャードヴィレッジ・フフ」(現在は閉館)に早くから部屋の予約をとり、出かけました。高台にあるホテルの庭には私たちのように寝袋を持ったお客さんもたくさん来ていて、一晩中、夜空を飛び交う流星を眺めました。
小学校1年生の時から、カブト虫やクワガタをはじめとする昆虫に興味を持ってきたので、夏休みの旅行はカブト虫狩りのスポットを選んで行くようになりました。また、大きな公園に行くと息子はいつも自然観察に忙しそうで、水辺にしゃがみこんでタガメやゲンゴロウなどの水生昆虫を探したり、草むらに入ってバッタやカマキリをつかまえたり。時間を忘れていつまでも、虫の観察をしていました。
その頃私は、レイチェル・カーソンの「センス・オブ・ワンダー」を読んで、感銘を受けていました。この本には、レイチェルが姪の息子のロジャーと一緒に夜の海辺や苔に覆われた森の中を散歩して、自然から様々なものを感じとった経験が書いてあります。雨の日は植物がより美しく生き生きとしているからロジャーにレインコートを着せて、あえて自然観察に出かける。大人になるにつれて失われていく
Sens of wonder(=神秘さや不思議さに目を見はる感性) を子どもと一緒に再発見して、感動を分かち合うことの大切さを唱えています。
3年生になってから息子が興味を持ったものは、恐竜です。「ダイナソー」の映画を見てから、急にその世界に入って行きました。読む本は昆虫の図鑑に加えて、恐竜の図鑑になって、休日には恐竜の骨の化石を見に博物館巡りをしました。特に、神奈川県の「生命の星・地球博物館」の化石の展示が素晴らしく、何度か足を運びました。埼玉県の「ユネスコ村恐竜探検館」も、恐竜が生きていた時代の地球を疑似体験できて、とてもよく作られていました。
調べてみると福井県の勝山にある「福井県立恐竜博物館」は、実際に恐竜の化石が見つかっている地にあり、展示内容や黒川紀章設計の建物など、恐竜好きが訪れないわけには行かないような充実した博物館だということがわかりました。そこで夏休みの家族旅行に、車で6時間かけて行ってきました。博物館は期待通りすばらしく、遠かったけれど行ったかいがありました。また、夕方になると博物館の周りの恐竜公園の林からは、無数のカブト虫の鳴き声がなり響き、あれほどたくさんのカブト虫を見たことは初めてで、思いがけない収穫もありました。
勝山は本当にのどかな農村でしたが、実際に恐竜が住んでいた場所だけあって恐竜関係の興味深い施設が充実していました。中でも1億4500万年前の植物の化石を自分達の手で発掘できるところもあって、貴重な体験でした。
ビデオ「驚異の恐竜王国 全6巻」は、恐竜の生態を時代別にコンピューターグラフィックで作ってあり、映像のリアルさ、内容ともに素晴らしいビデオでした。レンタルビデオショップのTSUTAYA三軒茶屋店で全巻貸し出しがあったので、1巻ずつ順にレンタルして大人も夢中になって見ました。
4年生の時には、幼い頃からずっと続けてきたレゴブロックが一番の興味の対象になり、日々の遊びのすべてがレゴになっていました。
最近のレゴは、モーターをつけたりパソコンで動きを指示できたりと、かなり進んでいます。息子のオリジナル作品の中で私が一番好きだったものは、レゴの犬です。モーターをつけて動けるようにしてあって、前進したり、しっぽを振りながらおすわりしたりします。(上の写真にレゴの犬が出ていますが、これは4年生の時に夏休みの自由研究の宿題で提出したスケッチブックの1ページです。生き物の歩行の仕組みを調べるために、レゴで2本足、4本足、6本足のロボットを作り、人間、動物、昆虫の歩き方を比較しました。)
レゴ発祥の地、デンマークにレゴランドがあることを知ってからは、やはりこれほどレゴが好きなのだから連れて行ってあげたいと思い、5年生の時に家族で行ってきました。(詳しいことは、Favoritesページの「デンマークのレゴランド」、Life styleページの「デンマーク旅行」をご覧下さい。)
初めて行ったデンマーク。子ども達と一緒に念願のレゴランドを楽しめて、そして私は特に、あの北欧の空気感が好きで今でも忘れられません。
6年生になったら、興味の対象はすっかりパソコンになりました。Flashのソフトでムービーを作ったり、自分のHPやブログの編集をしたり、ネットサーフィンやゲームをしたり。
こんな風にして幼稚園、小学校時代を送ってきて、今年卒業を迎えた息子。
息子が興味を持ったことに、娘も私も夢中になって共に過ごした日々。
いつかこの家を巣立っていく日まで、一緒に色々なことをしていけたらいいなと思っています。
2005.3.30
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